漏電の主な原因と調査方法!発生した時はどうするの?

漏電の主な原因と調査方法!発生した時はどうするの?

 

漏電は、電気がコードから漏れてしまう現象です。漏電が発生すると電気代の高騰や火災の原因になるため、早めに原因を特定し、対処したいところでしょう。

 

今回は、漏電の調査方法について解説します。漏電が発生したときの連絡先や、漏電でブレーカーが落ちたときの対処方法。また、電気工事のプロがおこなう漏電調査の方法を参考までに解説。自宅が漏電しているかも、と考えているかたは参考にしてみてください。

 

 

 

 

漏電が発生!どこに連絡すべきなのか

漏電は、文字通り電気が漏れる現象です。建物に触るとしびれる、雨が降ると停電するなどの症状が自宅に現れる場合は、漏電をしている可能性が高いです。また、ブレーカーのなかには漏電の際にのみ降りる「漏電ブレーカー」もあります。

 

漏電は最悪の場合感電し、命にもかかわる危険なものです。漏電が発生したら早急に対策をおこないましょう。そのときに連絡をする場所は、お住まいの住宅の環境によって異なります。主な住宅の連絡先は下記のとおりです。

 

・戸建住宅の場合:電気保安協会、もしくは漏電修理業者

・賃貸住宅の場合は管理会社、もしくは建物の大家

・マンションの場合は管理組合や管理会社、もしくは戸建住宅と同様

 

一般的な戸建住宅で漏電は「電気保安協会」「漏電修理業者」

一般的な戸建住宅で、漏電が発生した場合の連絡先は「電気保安協会」か「漏電修理業者」になります。

 

まず、電気保安協会についてです。電気保安協会は全国各地にあります。担当するのは、住宅やお店の電気まわりの点検です。電気保安協会の仕事は、電力会社からの委託業務。そのため、電気保安協会に調査を依頼すると一般的には無料で漏電調査をしてもらえます。

 

次に漏電の修理業者ですが、一般に電気関係の作業をおこなっている業者に、漏電の調査を依頼します。しかし、この場合は一般的な業者のため漏電調査に費用がかかります。業者によって異なりますが、かかる費用は平均して約1万円~3万円です。

 

ちなみに、電気を配給している電力会社に依頼をしてもよいのでは?と考えるかたもいるかもしれませんが、漏電の対応はしてくれないことが多いです。

 

電力会社の仕事はあくまで電気の供給や電線の点検。公共の場での電線点検や電力配給が主な仕事です。個人住宅内での電気まわりの点検は、残念ながらおこなっていないことが多いので、本格的な解決は、上記2つのところに依頼するようにしましょう。

 

賃貸住宅での漏電は「管理会社」「大家」に相談を

アパートでの漏電の場合、漏電時の相談先は管理会社か大家になります。個人で直接業者に調査や修理の依頼をして、その後にかかった費用を管理会社や大家さんに請求しても承認されないケースはあるようです。

 

行動する前に、まずは必ず相談をするようにしましょう。

 

マンションでの漏電は状況次第で2通り

マンションの場合はケースによって異なります。まずマンションの共有部分や複数の部屋で漏電が発生しているケース。このようなケースは個人の問題ではないため、管理組合や管理会社に連絡をして、対処をしてもらうようにするのがよいでしょう。

 

対して、漏電の症状が発生しているのが、自分の部屋だけであった場合です。漏電の症状が自分の部屋だけに出ている場合は、戸建住宅のケース同様に電気保安協会や漏電修理業者に連絡をするようにしましょう。

 

 

ブレーカーが落ちたときの対処法

ブレーカーが落ちたときの対処法

 

ブレーカーには、漏電時に瞬時に電気を遮断する「漏電ブレーカー」が付いています。そのため、漏電が発生しときは漏電ブレーカーが落ち、電気が使えない状態になります。漏電ブレーカーが作動したら、下記の手順をもとにブレーカーを戻してください。

 

ブレーカーを戻す手順

・安全ブレーカーをすべて切る(安全ブレーカーは通常のブレーカー)

・漏電ブレーカーを入れる

・安全ブレーカーをひとつずつ入れていく

・安全ブレーカーを入れたときに、漏電ブレーカーが落ちるところが漏電箇所です。

 

この方法を試すことで、漏電が起きている箇所を調査することができます。漏電をしたままですと、電気代の高騰や感電、火事につながることもあります。漏電の可能性があれば早急に原因を特定して、すぐに解決をすることが必要でしょう。

 

なぜ漏電ブレーカーが落ちるのか

漏電ブレーカーが落ちるのは、電気が漏れているからです。一方で、漏電ブレーカーが落ちる原因にはいくつかの種類があります。それらの代表的なものは、下記のとおりです。

 

雨漏りや濡れた電化製品

雨漏りしていると漏電が発生します。また、濡れた電化製品も漏電の発生源になります。電化製品が濡れている場合は使用を中止し、完全に乾燥させてから使用を再開しましょう。

 

アース線が付いていない

漏電防止のためについているアース線は、万が一の漏電の際に電気を逃がす役割があります。付いていない場合はアース線を取り付けましょう。

 

電気コードをまとめている

電気コードをまとめていたり、電気コードが細すぎることも漏電の発生源になります。

 

コンセントまわりに不備がある

コンセントの緩みやホコリ、濡れたままの使用などはすべて漏電の原因になります。また、生活にとても便利な「たこ足配線」も漏電の原因のひとつです。それぞれカバーを付けたり、乾燥をしてから使用するなどで、漏電対策をすることができます。

 

 

漏電原因を特定する方法

漏電の原因調査をおこなうには、前章で紹介した漏電ブレーカーを使う方法がご家庭向けです。対して、ここでは資格を持つプロがおこなう漏電調査の方法を、簡単に紹介していきます。

 

漏電ブレーカー以外の方法で漏電調査をするには、「第二種電気主任技術者」の資格が必要です。この資格は電気関係の知識や技術の証明になるもので、専門的な電気まわりの調査や修理に必要です。

 

本格的な特定するのに必要な道具

第二種電気主任技術者の資格を持つ人が、漏電調査をおこなうための道具と手順は下記のとおりです。

 

漏電調査に用いる道具

・絶縁抵抗計

・漏洩電流計

・同軸配線チェッカー

・電圧系

・その他必要な道具(ドライバー、カッター、ペンチなど)

 

原因を特定する手順

漏電調査に主に使うのは、「絶縁抵抗計」です。絶縁抵抗計を分電盤(ブレーカーの箱)内で使い、ひとつひとつの回路の電流を確認。異常のある回路を特定します。(絶縁抵抗計の数値が∞であれば正常、0であれば異常です)。

 

絶縁抵抗計で異常のある箇所を特定したら、次にその範囲内にある電化製品の状態を同様に確認します。(ブレーカーは部屋単位、空間単位のため、器具ごとの特定はできない)。このとき使うのは、絶縁抵抗計と同軸配線チェッカーです。

 

漏電箇所が特定できたら、原因になっているものを新しいものに取り換えたり、配線を新しいものに取り換えたりして漏電を解消します。最後に機器の動作確認をして、漏電調査は終了です。

 

「資格」がない人は行わない

漏電調査は、一歩間違えると感電し命の危険に直結する危険な作業です。漏電ブレーカー以外の漏電調査方法は、資格のある人以外は絶対におこなわないようにしましょう。

 

偽物調査員にひっかからない

漏電はとても危険なものです。そんな状況につけこみ、漏電調査員と偽って高額の調査費用を請求する「偽物調査員」が現れることもあります。偽物調査員は形だけの調査をおこない、高額な調査費用を盗み取っていきます。

 

本物の調査員は、腕に腕章をしていたり、証明書を持っていたりします。また、車やバイクには協会の名前が書いてあります。少しでも違和感を持った、ら必ず証明書の提示を要求しましょう。作業前に、協会へ電話をしてみるのも手です。

 

 

まとめ

ここまで、漏電の調査方法について解説してきました。最後に、今回の記事の内容をまとめます。

 

・漏電の際の連絡先は、住宅の状況ごとに異なる

・漏電が原因でブレーカーが落ちたときは、漏電ブレーカーが作動する

・漏電箇所の特定は、漏電ブレーカーと安全ブレーカーの併用を

・漏電を防止するにはさまざまな対策法がある

・代表的なものは「雨漏りや濡れた電化製品」「アースのない状態」「電気コードのまとめや細いコード」「コンセントまわりの緩みやホコリなど」

・漏電ブレーカー以外の漏電調査の方法は資格が必要になる

・漏電調査の偽物調査員に用心する