コラム

電気の漏電の原因と感電や火災の予防方法解説!対処はプロに任せよう

電気の漏電の原因と感電や火災の予防方法解説!対処はプロに任せよう

電気が漏電していると感電や火災などの重大な事故の原因になるので、すぐに修理が必要です。漏れた電気が人体に流れれば死に至ることがありますし、ホコリなどに引火して火災につながることもあるのです。

漏電の原因と危険性、感電や火災など漏電による事故の予防法、漏電の確認方法をご紹介します。自宅で漏電が発生しているのではないかと不安に感じている方は、ぜひ参考にして一刻も早く安全を確保してください。

火災や死亡事故につながる漏電の仕組みと危険性

漏電とは、電気配線やコンセント、プラグコード、電化製品に流れている電気が外へ漏れ出してしまうことです。

電気配線や電化製品のコードは電気を通さない絶縁体で覆われているので、通常は中を流れている電気が外へ出てくることはありません。しかし、絶縁体に損傷や劣化があって内部の導線が露出していると、その部分から電気が外へ流れてしまいます。電気は水と同じように、出口があれば自然と流れ出てくるのです。

外へ出てきた電気がもしも人の体に流れ込むと感電し、死に至ることもあります。電気が漏電していることで発生するおそれがある事故には、おもに「感電」と「火災」があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

漏電が原因で起こる事故【感電】

漏電が原因で起こる事故【感電】

人体に電気が流れると、火傷や細胞の壊死、心停止を引き起こすおそれがあります。人間の身体には普段から微弱な電気が流れていて、脳から電気信号を送ることで体の筋肉を伸縮させています。
【参考:ひらめき☆ときめきサイエンス「脳や体を動かす電気信号を感じてみよう!」/自然科学研究機構 生理学研究所

普段流れているよりもはるかに大きな電気が体に流れると、体中の筋肉はその電気の影響で激しく収縮し、動けなくなります。感電している状態から逃げようとしても、自分で身体を動かすことは困難です。電気信号によって規則正しく脈を打っている心臓に電気が流れた場合も、正常な動きができなくなり、体中に血液を送れなくなります。

感電が致命傷になるかどうかは、電気の量と時間、流れたルートによって変わります。感電した場合の電流と危険度の目安は以下のとおりです。

感電したときの電流と危険度
電流(ミリアンペア) 人体への影響
5mA 痛みを感じる
10mA 耐えられないほどの痛みを感じる
20mA 筋肉が収縮して動かせなくなり呼吸が困難になる
50mA 気絶や内臓損傷のおそれがあり短時間でも致命傷になる
100mA 1秒以上流れると心肺停止の危険性が高い

漏電している部分に触れてしまったときにどれくらいの電流が体に流れるかは、体の大きさや身に着けているもの、立っている床の素材などの状況によって変わります。

電流は少なくても、長時間体に流れていれば表の目安よりも重篤な状態になるおそれがあります。また、電流も時間も少なくても、電気が心臓を通るルートで流れれば心停止のおそれがあり、やはり危険です。

そのため、たとえ「感電はしたけど大事には至らなかった」ということがあっても、その結果は偶然に過ぎません。大小に関わらず、感電を防ぐ対策が必要です。

漏電が原因で起こる事故【火災】

建物内部の電気配線や電化製品の内部で漏電が起こっていた場合、人が触れてしまう危険性は少ないですが、火災の原因になるおそれがあります。

電気は流れるときにエネルギーを使い、熱を発します。電気がスムーズに流れれば熱は少なく、障害物にぶつかるほどエネルギーが大きい分、発する熱も大きくなるのです。電化製品を長時間使っていると熱くなることがあるのは、この原理によるものです。

漏電によって本来流れるべきルートからそれた電気は、出てきたところにある金属などに流れようとしてエネルギーを使い、熱を発します。その周辺に木材やプラスチックなどの部材、ホコリなどの燃えるものがあれば、引火して火災になるのです。

漏電火災は目に見えないところで起こることが多いので、日ごろから配線設備や電化製品の点検をし、不具合はすぐに修理しておくことが大切です。

じつは身近にある漏電の原因

漏電による感電や火災を防ぐために、どのような原因で漏電が起こるのかを知っておきましょう。何気ない生活のなかに漏電につながる危険が潜んでいることもありますので、身の回りと照らし合わせながらひとつずつ確かめてみてください。

電化製品の破損・水濡れ

電化製品の破損・水濡れ

電化製品に流れる電気は製品の動作で消費され、外には漏れないようになっています。しかし、内部の絶縁体が経年劣化や衝撃などによって破損していると、漏電することがあるのです。発熱がある、金属部に触れるとピリピリと感じる、プラグが破損しているなどの症状が見られる電化製品は、修理を検討しましょう。

また、外装の隙間から水が内部に入り込んだ場合、その水を通って電気が外へ漏れることもあります。特にキッチンや洗面所などの水回りで使用する電化製品には、水をかけたり、結露させたりしないよう注意が必要です。

建物や電気設備の老朽化・施工不良

壁や天井に埋め込まれている電気配線、コンセントなど住宅の電気設備の老朽化も漏電の原因です。地震や台風などの災害によって設備が破損していたり、雨漏りによって建物内に水が入り込んでいたりして漏電につながることもあります。

また、そもそも住宅の建設時や製品の設置工事のときに不備があったということもあります。それほど電気を使っていないのにブレーカーが頻繁に落ちるような場合は、建物全体の電気設備を点検してみましょう。

コンセントの使い方

不適切な電気の使い方をしていることが、漏電の原因になることもあります。電源タップなどを多用して複数の電気製品を一度に使う「タコ足配線」は、危険な電気の使い方のひとつです。一度に流れる電流が電源タップの許容量を超えると、ショートや発熱が起こる恐れがあります。

また、タコ足配線は「トラッキング現象」による火災の原因にもなります。トラッキング現象とは、コンセントとプラグの隙間にホコリがたまり、湿気を含んだホコリに電気が流れて発火する現象です。電源タップにごちゃごちゃと多くのプラグを挿していると、ホコリがたまったりプラグが緩んだりしやすくなります。

無理なタコ足配線は避け、特に日頃挿したままにしてあるプラグはこまめに掃除を心がけましょう。

害獣や害虫

ネズミなどの害獣が住宅内に侵入すると、電気配線や電化製品のプラグコードをかじることがあります。ネズミなどのげっ歯類は歯が伸び続けるため、常に何かをかじって歯を削る習性があります。コードの被膜をかじって導線をむき出しにしてしまうことで漏電し、火災に発展するのです。害獣の尿による水濡れで漏電することもあります。

また、ゴキブリなどの害虫が原因になることもあります。住宅に侵入する害虫の多くは暗くて暖かい場所を好むので、電化製品の中に入り込むことがあるのです。電化製品の内部でゴキブリが死んだりフンをしたりして、そこに電気が流れて漏電につながります。住宅内に害獣や害虫が侵入している場合は、早めに駆除しておきましょう。

アース線と漏電ブレーカーで漏電による事故や火災を防ごう

漏電はさまざまな原因によって起こるため、すべての要素を完全に取り除くことは困難です。もちろん原因を取り除くことも大切ですが、同時に漏電が起こったときにその被害を最小限に食い止める対策もしておくのが効果的です。漏電の被害を抑える方法には、おもに「漏電ブレーカー」「アース線」があります。それぞれ解説していきます。

電気を遮断する漏電ブレーカー

電気を遮断する漏電ブレーカー

玄関などに設置されていることが多い電気の分電盤には、たくさんのスイッチが並んでいます。そのなかのひとつが漏電ブレーカーで、その名のとおり、漏電が起こったときに電気の流れをもとから遮断してくれる装置です。

近年の住宅にはほぼ設置されていますので、「漏電ブレーカー」や「漏電遮断器」と表示されたスイッチがあるか自宅の分電盤を確認してみましょう。

出ていった電流に対して戻ってきた電流が少なくなっていると、漏電が起きていると検知するのが漏電ブレーカーの仕組みです。電気を使えば電流が減りそうな気がしますが、電気の量は減るわけではありません。

わかりやすくいえば、電気が電化製品を動かす仕組みは、水の流れが水車を動かすようなものです。水が流れる力で水車を回すことができますが、水車を回したからといって水の量が減ることはありません。

正常に流れていれば、出ていく電流と戻ってくる電流はずっと同じです。しかし、漏電によって電気が別のところへ流れ出ていると、電流の量が減ります。電流が減ったのを検知すると、漏電ブレーカーは電気を遮断するのです。

漏電ブレーカーが作動して停電してしまったときに電気を復旧する方法は、当コラムの「漏電ブレーカーを確認」をご覧ください。

アース線の接続でさらに安全

漏電ブレーカーがあれば絶対に安全というわけではありません。漏電ブレーカーが漏電を検知できないケースもあるからです。

例えば周りに金属などの電気を通すものが何もない場所で漏電が起こっている場合、漏電した電気はどこへも流れていかずにその場にとどまっていることがあります。とどまっている電気はいずれもとのルートに戻っていくので、電流には変化がありません。

この状態だと、電化製品に人が触れて感電するなどして電気が別の場所へ流れるまで、漏電ブレーカーは漏電を検知できないのです。

人が感電する前に漏電ブレーカーが漏電を検知できるための対策として、アース線が付属している電化製品があります。アース線は電化製品からコンセントにつなぐ電源プラグとは別の緑色のコードです。「アース」とは大地のことで、アース線はコンセントの先で地面につながれています。

電化製品が漏電したとき、漏れ出した電気はアース線に流れるようになっています。アース線に流れた電気は広大な大地へと出ていき、ブレーカーに戻ることはありません。そのため、漏電ブレーカーは漏電していることを検知できるのです。

また、万が一人が感電してしまった場合にも、アース線が接続されていれば電気は人の体よりもアース線のほうへ流れやすいので、被害を最小限に抑えられる可能性があります。

冷蔵庫や洗濯機などの水回りで使う電化製品、エアコンなどの消費電力の大きい電化製品には基本的にアース線が付属しています。水に濡れたり大きな電圧がかかったりして、漏電するリスクがより高いからです。

自宅のコンセントにアース線を接続する端子が付いているかを確認しましょう。もしも接続できない場合は、電気工事業者に相談して取り付けることをおすすめします。

漏電が疑われるときの確認方法

漏電しているかもしれないと思っても、電気は目に見えないので、どこで漏電しているかわからないという不安を抱え続けているということもあるでしょう。漏電している箇所を確かめる方法をご紹介しますので、不安を解消するために実践してみてください。

漏電ブレーカーを確認

電気を遮断する漏電ブレーカー

漏電ブレーカーが作動すれば、家のどこかで漏電が起こっていることはほぼ確実です。漏電ブレーカーは1ヵ所でも漏電が起こっていれば落ちてしまいますが、漏電箇所を通電させなければ他の箇所は復旧させることができます。この原理を応用すれば、漏電している箇所を絞り込めるのです。

漏電ブレーカーを使って漏電箇所を確かめる手順を解説します。漏電ブレーカーを復旧させるときにも、同じ作業をします。まず、分電盤の配置を確認しましょう。

アンペアブレーカー

基本的には、イラスト左側の最も大きくて「○○A」などと書いてあるスイッチが「アンペアブレーカー」。真ん中の、横に丸いボタンが付いているスイッチが「漏電ブレーカー」。右側にたくさん並んでいる小さなスイッチが「安全ブレーカー」です。

アンペアブレーカーは全体の電気の量を管理しているブレーカー、安全ブレーカーは細かい箇所ごとの電気を管理しているブレーカーです。

【漏電ブレーカー復旧の手順】

(1)すべてのブレーカーを切の状態にする。
(2)アンペアブレーカーを入にする。
(3)漏電ブレーカーを入にし、電気が点くことを確認。
(4)安全ブレーカーを1つずつ入にしていく。
(5)漏電ブレーカーが作動して停電したら、直前に入にした安全ブレーカーを切にする。(この安全ブレーカーの箇所が漏電している)
(6)再び漏電ブレーカーを入にし、電気が点くことを確認。
(7)(5)で切にした箇所以外の安全ブレーカーをすべて入にし、漏電ブレーカーが作動しないことを確認する。

漏電している箇所がわかったら、そのコンセントにつながれている電化製品のプラグをすべて外しましょう。別のコンセントにつないで再び漏電ブレーカーが落ちるようなら、その電化製品が漏電している可能性が高いです。

テスターを使う

電流を計測する専用の装置を使えば、漏電していることを具体的な数値で確認できます。購入すると数万円もかかってしまいますが、レンタルできるところもあります。使用する際は製品の取扱説明書をあらかじめよく読み、安全を確認しながら作業をしてください。

テスターは素人には扱いが難しく、作業中に事故が起こるおそれもあります。安全に、より確実に漏電を確認したいのであれば、プロに任せるのがおすすめです。

電力会社や電気工事業者に調査してもらう

電気のことなら、電気のプロに相談するのが最も確実です。契約している電力会社や地域の電気保安協会に相談すれば、すぐに漏電の調査をしてくれます。ただし、電力会社や電気保安協会は基本的に、漏電しているかどうかや漏電箇所を確かめることしかできません。漏電している箇所の改修は自己負担でおこなう必要があります。

改修は電気工事業者に依頼することになるので、最初から電気工事業者に相談するのもおすすめです。電気工事業者なら家中を調べて漏電箇所を特定し、そのまま必要な改修工事をしてもらえます。

どこの電気工事業者へ頼めばよいのかわからないというときには、ぜひ弊社へご相談ください。弊社では、電気工事業者をご紹介するサービスを提供しております。全国で多くの電気工事業者と提携しているため、お近くの業者を迅速に手配することが可能です。

24時間365日体制で電話受付対応しておりますので、漏電しているかもしれない不安を今すぐ解消したいというときは、ぜひお気軽にお電話ください。

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